地域密着型金融の取組みについて
~中小企業の経営の改善および地域活性化のための取組みの状況~

城南信用金庫では、人を大切にする、思いやりを大切にする、そしてコミュニティを大切にするという協同組合の理想や理念のもと、お客様のため、地域のため、日本を明るく元気にするために、「地域密着型金融」の推進に向けて全力で取組んでいます。
ここでは、当金庫の地域密着型金融としての取組みと併せ、「金融仲介機能のベンチマーク」に関する内容も、掲載しています。これは、金融機関の金融仲介機能を客観的に評価するための指標として、金融庁が策定したものであり、当金庫といたしましても、このベンチマークを自己評価に活用しています。
Ⅰ 地域事業者との取引状況
●全取引先数と地域の取引先数の推移、及び、地域の企業数との比較(先数単体ベース)
2024/3 | 2023/3 | |||||||
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地元 | 地元外 | 地元 | 地元外 | |||||
(単位:社) | 東京都 | 神奈川県 | その他 | 東京都 | 神奈川県 | その他 | ||
全取引先数 | 32,884 | 33,044 | ||||||
地域別の取引先数の推移 | 32,597 | 287 | 32,780 | 264 | ||||
23,094 | 9,503 | 23,139 | 9,641 | |||||
地域別の企業数の推移※ | 650,358※2 | 3,033,691※2 | 640,738※1 | 3,215,719※1 | ||||
453,145 | 197,213 | 441,538 | 199,200 |
- ※1出典:総務省・経済産業省「平成28年経済センサス-活動調査結果」に基づき、企業数を表示しています。
- ※2出典:総務省・経済産業省「令和3年経済センサス-活動調査結果」に基づき、企業数を表示しています。
Ⅱ お客様応援企業としての取組み
お客様のお悩みにワンストップでお応えします

「城南なんでも相談プラザ」では、売上増強や販路拡大、創業・起業、技術開発、事業承継・M&A、税務・法律等お客様のさまざまなご相談に、中小企業診断士等を含む専門家チームがワンストップでお応えするほか、提携業者のご紹介なども行っています。
また、製造業の技術や生産管理等に精通した人材を外部から「ものづくりコンシェルジュ」として採用し、地域の中小企業の工場等を訪問するなど、より専門的な目線からお客様の課題解決に努めています。
●「城南なんでも相談プラザ」が受付けた相談件数等
相談件数 | 4,480 |
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紹介件数 | 3,131 |
●当金庫が関与した創業件数
創業件数 | 1,213 |
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●本業(企業価値の向上)支援先数、及び、全取引先数に占める割合
(単位:社) | 全取引先数① | 本業支援先数② | ②/① |
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本業支援先数及び全取引先数に占める割合 | 29,092 | 1,091 | 3.8% |
●支援内容別創業支援先数

創業支援先数 | |
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創業計画の策定支援 | 22 |
創業期の取引先への融資(プロパー) | 183 |
創業期の取引先への融資(信用保証付き) | 1,006 |
政府系金融機関や創業支援機関の紹介 | 12 |
ベンチャー企業への助成金・融資・投資 | 10 |
●事業承継に関する支援

事業承継支援先数 | 514 |
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●外部専門家の活用
外部専門家を活用して本業支援を行った取引先数 | 194 |
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ビジネス商談会等を通じて販路開拓の機会をご提供しています
●“よい仕事おこし”フェア
全国の信用金庫のお取引先企業等が一堂に会することで、新たな出会いの機会を創出するビジネスマッチングイベント「“よい仕事おこし”フェア」を、2012年から開催しています。第1回のフェアは、東日本大震災による被災地の復興支援を目的とし、東京や東北の信用金庫を中心に63金庫の協賛を得て東京ドームにて開催いたしました。
2023年11月21日・22日に開催された第11回のフェアは、原材料価格高騰などの影響を受ける事業者への“本業支援”に特化した“ビジネスフェア”として、全国253金庫の協賛を得て東京ビッグサイトにて開催し、特に大きな影響を受けている「ものづくり」「食品」「観光」関連の523事業者(484ブース)にご出展いただき、業種を絞った密度の濃いマッチングが各所で行われました。
今後も業界を代表するマッチングイベントとして全国の事業者に新たな出会いを提供してまいります。
●各種ビジネス商談会
当金庫では、商談意欲に溢れるお客様に対して新たな販路開拓の機会をご提供するため、全国各地の信用金庫のお取引先にも広く参加を呼びかけさせていただき、雑貨商品や食品等に品目を絞ったさまざまなビジネス商談会を開催しています。
2023年度は、製造業向け商談会、建設関連企業との商談会等を開催しました。


・参加先数等
参加先数※ | 122 |
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面談件数 | 290 |
※他信用金庫のお取引先の参加を含んでいます。
●販路開拓支援を行った先数(地元・地元外・海外別)
販路開拓支援を行った先数(地元) | 418 |
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※地元外・海外への支援は該当ありません。
●同業種交流会

当金庫では、お客様の専門技術や生産能力等を同業種企業の即戦力につなげていただくべく、プレス・板金加工業および金属加工業の「同業種交流会」を開催しています。2023年7月には、足立成和信用金庫、西武信用金庫とともに、三金庫合同の「同業種交流会」を開催するなど、ビジネスのさらなる発展の機会を提供しています。
・参加企業数
参加企業数 | 21 |
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融資業務について

当金庫では、創立以来、「貸すも親切、貸さぬも親切」という融資の基本原則を貫き、真にお客様の発展、繁栄のお役に立つ健全な融資を取扱っています。
審査においては、財務データや担保・保証に必要以上に依存することなく、お客様の事業の内容や成長可能性などを適切に評価する「事業性評価」に取組んでおり、4,832先に融資を行い、残高は4,561億円となりました。
当金庫では、今後も融資や助言を行うことを通じて、企業や産業が成長できるよう取組んでまいります。
●当金庫が事業性評価に基づく融資を行っている与信先数及び融資額、及び、全与信先数及び融資額に占める割合(先数単体ベース)
(単位:社、億円) | 先数 | 融資残高 |
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事業性評価に基づく融資を行っている与信先数及び融資残高 | 4,832 | 4,561 |
上記計数の全与信先数及び当該与信先の融資残高に占める割合 | 14.8% | 22.5% |
●地元の中小企業与信先のうち、無担保与信先数、及び、無担保融資額の割合(先数単体ベース)
(単位:社、億円) | 地元中小与信先数① | 地元中小向け融資残高② | 無担保融資先数③ | 無担保融資残高④ |
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地元の中小企業融資における無担保融資先数(先数単体ベース) | 32,223 | 20,023 | 10,963 | 3,173 |
上記③/① | 上記④/② | |
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地元の中小企業融資における無担保融資額の割合 | 34.0% | 15.8% |
●経営者保証に関するガイドラインの活用先数、及び、全与信先数に占める割合
(単位:社) | 全与信先数① | ガイドライン活用先数② | ②/① |
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経営者保証に関するガイドラインの活用先数、及び、全与信先数に占める割合 | 32,516 | 3,921 | 12.1% |
●運転資金に占める短期融資の割合
(単位:億円) | 運転資金額① | 短期融資額② | ②/① |
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運転資金に占める短期融資の割合 | 7,401 | 442 | 6.0% |
メインバンク(融資残高1位)に関する指標は以下の通りです。
メインバンクとして当金庫と取引を行っていただいているお客様は全取引先の75.0%、24,648先となっています。
メイン取引先数(グループベース21,584先)のうち、経営指標(売上・営業利益率・労働生産性等)の改善や就業者数の増加が見られた事業者数は、13,850先となっています。
●メイン取引(融資残高1位)先数の推移、及び、全取引先数に占める割合(先数単体ベース)
(単位:社) | 2024/3 | 2023/3 | 2022/3 |
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メイン取引先数の推移 | 24,648 | 24,754 | 24,516 |
全取引先数に占める割合 | 75.0% | 74.9% | 75.4% |
●当金庫がメインバンク(融資残高1位)として取引を行っている企業のうち、経営指標(売上・営業利益率・労働生産性等)の改善や就業者数の増加が見られた先数(先数はグループベース)、及び、同先に対する融資額の推移
(単位:社、億円) | 先数 | 融資残高 |
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メイン取引先数 | 21,584 | 17,932 |
経営指標等が改善した先数 | 13,850 | 別表1 |
(別表1) (単位:億円) | 2024/3 | 2023/3 | 2022/3 |
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経営指標等が改善した先に係る3年間の事業年度末の融資残高の推移 | 13,533 | 13,422 | 13,098 |
また、事業者の創業期、成長期といった各ライフステージ別の先数とそれに係る年度末の融資残高は、以下の通りとなっています。
●ライフステージ別の与信先数(先数単体ベース)、及び、融資額
(単位:社、億円) | 全与信先 | |||||
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創業期 | 成長期 | 安定期 | 低迷期 | 再生期 | ||
ライフステージ別の与信先数 | 32,516 | 2,147 | 2,262 | 13,005 | 1,277 | 2,642 |
ライフステージ別の与信先に係る事業年度末の融資残高 | 20,190 | 574 | 2,097 | 11,064 | 705 | 2,597 |
中小企業の条件変更先に係る経営改善計画の進捗状況について
貸付条件の変更を余儀なくされ、経営改善計画を策定したお客様に対し、当金庫では融資による支援だけでなく、販路拡大や技術的な課題の解決にお客様とともに取組んでおります。経営改善計画の進捗状況は以下の通りです。
●当金庫が貸付条件の変更を行っている中小企業の経営改善計画の進捗状況
(単位:社) | 条件変更総数 | 好調先 | 順調先 | 不調先 |
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中小企業の条件変更先に係る経営改善計画の進捗状況 | 2,567 | 57 | 176 | 2,334 |
●リスク管理債権額(債権種別、地域別)
(単位:億円) | 地元 | 地元以外 | |
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東京都 | 神奈川県 | その他 | |
3ヶ月以上延滞 | - | - | - |
貸出条件緩和 | 162 | 49 | 2 |
延滞債権 | 53 | 26 | 1 |
破綻債権 | 8 | 7 | - |
合計 | 223 | 82 | 3 |
Ⅲ 社会貢献企業としての取組み
高齢者向け総合サポートサービス「いつでも安心サポート」
当金庫では、ご高齢やご病気等の理由で店頭に来店できない場合等でも、お客様に安心してお取引いただけるよう、9のラインナップからご希望のサービスをお選びいただける高齢者向け総合サポートサービス「いつでも安心サポート」を取扱っています。また、2021年からは、預金をされているご本人が認知症になってしまい、認知・判断能力を喪失されてしまった場合でも、ご本人に代わってあらかじめお届けいただいた代理人の方がお手続きすることを可能にする「将来のための代理人サービス」の取扱いを開始しています。
- ①代理人サービス
- ⑥後見制度支援預金
- ②家族信託預金・融資
- ⑦リバースモーゲージサービス
- ③「公正証書遺言作成お手伝い」紹介サービス
- ⑧「有料老人ホーム」紹介サービス
- ④「遺言執行」紹介サービス
- ⑨いつでも安心口座
- ⑤「任意後見制度」紹介サービス
※③については当金庫の関連法人である一般社団法人しんきん安心サポート、④・⑤については一般社団法人しんきん成年後見サポートがそれぞれ対応いたします。
・「いつでも安心サポート」申込件数
申込件数 | 8,366 |
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ビジネス支援事業の協賛
当金庫では、以下のビジネスコンテスト等に協賛し、「よい仕事おこし賞」を設けるなど、地元の中小企業の皆様の活動を積極的に支援しています。
名称 | 主催 |
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第14回ビジネス創造コンテスト | (一財)品川ビジネスクラブ |
第13回ウーマンズビジネスグランプリ2024in品川 | 第13回ウーマンズビジネスグランプリ2024in品川実行委員会 |
かわさき起業家オーディションビジネス・アイデアシーズ市場 | (公財)川崎市産業振興財団 |
第14回地域再生大賞 | 地域再生大賞実行委員会 ((一社)共同通信社他地方新聞47社等) |
横浜ビジネスグランプリ2024 | (公財)横浜企業経営支援財団 |
第14回日本でいちばん大切にしたい会社大賞 | 人を大切にする経営学会 |
Business Contest KING 2023 | Business Contest KING実行委員会 |
計7先 |
スポーツ大会等の開催・協賛
当金庫では、「城南CUP」や「しんきんCUP世田谷区小学生将棋大会」を開催するほか、下記のスポーツ大会等に協賛して、地域の皆様を応援しています。

協賛大会等 |
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MINATOシティハーフマラソン2023 |
バスケットボールチーム「アースフレンズ東京Z」 |
関東大学バスケットボールリーグ |
グリーンリボンランニングフェスティバル |
日本体育大学荏原高等学校杯争奪少年サッカー大会 |
計5先 |


「城南CUP」(主催・主管:城南信用金庫、目黒区軟式野球連盟、品川区軟式野球連盟、大田区軟式野球連盟、世田谷区軟式野球連盟 後援:東京都、目黒区、品川区、大田区、世田谷区、東京新聞・東京中日スポーツ、一般社団法人日本プロ野球選手会、株式会社ヤクルト球団)は、地域のスポーツ振興・青少年の健全な育成に資することを目的に、目黒区、品川区、大田区、世田谷区から選抜された学童野球チームがナンバーワンを競う大会として毎年開催しています。2023年10月より開催された「第12回城南CUP」には、18チームが参加し、こどもたちが白熱した試合を繰り広げました。
また、女子選手のみを対象とした「第9回城南ガールズCUP」も併せて開催しました。

「しんきんCUP世田谷区小学生将棋大会」(共催:世田谷区 協賛:世田谷信用金庫)は、世田谷区に在住または在学の小学生が参加する大会として開催しました。2023年9月3日に世田谷区役所三軒茶屋分庁舎にて行われ、29名の小学生が白熱した対局を繰り広げました。
対局後には、プロ棋士である髙野秀行六段によるワンポイントレッスンや、金庫職員による金融教室などを開催しました。
城南社会貢献賞


当金庫では、社会貢献活動に積極的に取組まれている地域の皆様を表彰し、広くご紹介させていただくことで、「共感」と「感動」の輪を広げ、健全なコミュニティの構築を実現することを目的として、「城南社会貢献賞」を創設し、2023年度末までに21先の企業・団体を表彰させていただきました。
※各計数は、2024年3月末現在のものです。