「ソーラーシェアリング」発案者 長島 彬先生にインタビュー!

「ソーラーシェアリングの未来」

「ソーラーシェアリングを推進する会」会長 長島 彬氏

 ①「ソーラーシェアリング」って??

ソーラーシェアリング(旧称:営農型発電設備)は、農地の上部空間に太陽光発電設備を設置し、農業と発電事業を同時に行いながら、太陽の光を「発電」と「農業」でシェアする取組みのことです。
従来の地面に置くタイプの太陽光発電では、地面を「平面的」に利用していたため、他の目的に使用することはあまり考えませんでしたが、ソーラーシェアリングでは、農地を「立体的」に積極的に使うことで、電力と農作物の両方を得ることができ、農家の大幅な収入アップが期待されています。
また、不要メガソーラーのように新たな不毛の地をつくらず、自然を活かしながら発電ができることが大きな特徴です。

長島 彬氏 写真1

 ②「ソーラーシェアリング」を発明したきっかけは?

私は、定年退職後、慶應義塾大学法学部に入学して法律を本格的に学びました。さまざまな分野の授業を受講する中で、生物の教科書の光合成の説明の中に「光飽和点」という言葉が出ており、そこから「ソーラーシェアリング」の基本構想を発案しました。2004年に特許を出願し、2005年の公開後、審査請求さえせずに放置して、誰もが無償で使用できるよう「公知の技術」としました。

 ③「光飽和点理論」について詳しく教えてください。

作物にはある程度の太陽光が必要ですが、強すぎる直射光は、我々動物と同じように、植物にとっても有害無益で利用されていません。適切な明るさの光以外は光合成に使えないため、不要のものとなるのです。そこで、農地や牧場などに太陽光パネルを設置し、太陽光を作物と分け合えるようにすれば、太陽光発電の根本的な欠点である「大面積が必要」という問題を解決して一気に資源のない日本のエネルギー問題が解消できると考えたのです。
一方、植物の中には、トウモロコシやサトウキビのように「光飽和点がない」とされているものもあります。こうした植物は、光が強ければ強いほど成長するとされており、ソーラーシェアリングすると成長が悪くなると予想されます。しかし、結果は逆だったのです。私が所有する実証実験場で2年にわたって作付け試験を行った結果、トウモロコシ等の「光飽和点がない」といわれている植物も、適切なソーラーシェアリングを行えば遜色のない収穫を得る可能性が確認できました。

長島 彬氏 写真2

 ④「ソーラーシェアリング」のメリットを教えてください。

まずは、売電収入が加わることで、農家の方々の収入が増えます。また、夏場の作業環境が大幅に改善され、作業効率がアップします。これまでは、海水浴場の砂浜で仕事をするに等しい過酷な環境下での農作業でしたが、ソーラーパネルによって影が生まれることで、作業時の体感温度が大きく改善され、農作業の過酷さが大きく改善されます。さらには、日照り災害の防止や灌漑用水を節約し、融雪を早める効果さえあります。

 ⑤「ソーラーシェアリング」はどのくらい普及していますか?

今、「ソーラーシェアリング」は全国各地に急速に拡大しており、1,000件を超える規模となっていますが、中には不適切な設備もあります。あくまで営農を重視、細身のパネルを使用し低い遮光率にした、自然と調和できる「適切なソーラーシェアリング」がどんどん普及していくことを願っています。

Sola Share1号機大豆播種写真
(提供)千葉エコ・エネルギー株式会社

 ⑥原発に変わる新たなエネルギーとして「ソーラーシェアリング」が注目されています。長島先生はどのようにお考えですか?

エネルギーを生み出す多くの設備は天災や人災によって破壊する可能性を秘めていますが、東京電力福島第一原子力発電所事故のように、原発は一度事故が起こると、取り返しのつかない事態を招いてしまいます。それに比べて、太陽光発電の設備も壊れることはありますが、設備の補修だけですみ、地域全体の問題になる可能性はほとんどありません。
さらには、ソーラーパネルやパワコンなど太陽光発電の部品が抜本的に安くなった今、原発に比べて、発電コストが安く、脱化石燃料の社会を作る本命のエネルギーとして期待されています。
私は、太陽光、風力、水力が電力のベスト・ミックスであると考えております。リスクやコストの観点からもおわかりのように、原発はもはや過去のもの、子孫に残す大きな負債と言えるでしょう。

 ⑦「ソーラーシェアリング」の今後の展望を教えてください。

近年、メガソーラーの適切な用地がなくなりその建設自体が自然破壊につながり、自然災害に弱い設備であると指摘され地域住民の反対運動の対象にさえなりますが、私は「ソーラーシェアリング」の技術を「メガソーラー」にも応用することで、自然環境を悪化させない「生物と共存できる」発電方式になると考えています。
生物の生活する良い環境としてブナ林が有名ですが、ブナの葉が薄く光を通すことで生まれる自然の「ソーラーシェアリング」に他なりません。
そこで、私は、「ソーラーシェアリング」を用い、自然を破壊せず、自然と共存する人類無限のエネルギー・取得手段としたいと考えています。

 ⑧最後に、「ソーラーシェアリング」に期待することを教えてください。

今、日本では、農家の収入が限りなく減り職業としての魅力が無くなり、後継者が育たない弊害が表面化し、さまざまな社会問題が発生しています。私は、このような課題を解決する一助に「ソーラーシェアリング」が活用され、皆が豊かな安心安全な食が得られる社会を取り戻して、農家の皆さんが「ソーラーシェアリング」で豊かになることで、誰もが憧れる職業として、若者が農村に帰ってくる社会をつくっていきたいと考えています。
さらには、世界で貧困と飢えに苦しみ困っている人たちを救う技術としてもこの「ソーラーシェアリング」が活用されてテロや略奪、侵略がこの世の中から無くなることを願って今後も多くの皆さんと日々努力していきたいです。

匝瑳メガドローン写真
(提供)千葉エコ・エネルギー株式会社
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